岐阜県下呂市の下呂温泉で8日、湯の恵みに感謝する「下呂温泉神社例祭」が開かれた。朝からの雨で温泉街を練り歩く参進行列は中止となったが、紅白だんごやお菓子をまく「せんごまき」の頃には雨も一時的に止み、観光客は“下呂の秋”を楽しんだ。
同神社は1989年に温泉の限りない湧出と入浴者のご加護を願って建立され、神体は山形県出羽三山の湯殿山本宮から分霊を受けた。下呂温泉旅館協同組合などが毎年10月8日に例祭を開いており、今回で28回目となる。
旅館会館での神社例祭神事では、宮司の祝詞奏上などが厳かに執り行われた。祭典委員長の斎藤正巳氏は「例祭は(28回目を迎え)伝統ある歴史的な祭りになってきた」と述べた。
白鷺橋では獅子舞奉納、芸妓連奉納舞などの後、1万円分の宿泊補助利用券を包んだせんごまきが行われ、氏子総代の滝多賀男氏(下呂温泉旅組理事長)らが威勢よくばらまいた。また、今回は浅草の江戸囃子「若山社中」が特別出演し、祭りを盛り上げた。
連休を利用して名古屋市から来たという夫婦は「参進行列が中止になったのは残念だが、紅白だんごを手に入れたので良かった」と笑顔で話していた。
直会(懇親会)には金子一義元国土交通相らが出席。冒頭あいさつした滝氏子総代は、最近行ったハワイ旅行でのエピソードを披露しながら、「ハワイでやっていることを下呂に置き換えると何か面白いことが起きそうだ」と述べ、下呂の活性化につながる仕掛けを作ることに意欲を示した。
第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)
- 1位草津、2位道後、3位下呂