中小企業の業況判断、5期連続で悪化


中小企業金融公庫がこのほど公表した今年4〜6月期の中小企業動向調査結果によると、中小企業の同期の業況判断DI(前年同期比で好転と回答した企業割合から悪化と回答した企業割合を引いた値)はマイナス23.6で、前期(今年1〜3月)に比べて6.5ポイント悪化した。DIが悪化するのは5期連続。先行き見通しDIも今期より悪化で、中小企業の中で慎重な見方が一層強まっている。

 調査は今年6月中.下旬、同公庫取引先の企業1万3448社に行った。有効回答企業数は6392社で、回答率47.5%。

 業況判断DIは07年1〜3月期から今年4〜6月期まで、マイナス0.1、マイナス4.2、マイナス7.1、マイナス15.1、マイナス17.1、マイナス23.6──と推移。5期連続で数値を落としている。

 先行き見通しも、今年7〜9月期がマイナス28.8、同10〜12月期がマイナス27.2と、今期よりさらに数値が落ちる見通しだ。

 産業別では、製造業がマイナス22.7で、前期比7.1ポイント悪化。非製造業がマイナス24.2で、同5.6ポイント悪化した。製造業では輸送用機械がマイナスに転じ、すべての業種でマイナスとなった。非製造業では、情報通信業でプラスを維持したが、水運業がマイナスに転じ、その他すべての業種でマイナスが続いている。飲食宿泊業も前期から悪化し、30台のマイナスとなった。非製造業10業種のうち、運送業、建設業に次ぐ、3番目の低さとなっている。

 地域別では、すべての地域でマイナス幅が拡大した。最も数値が低いのが北海道のマイナス32.7で、前期比15.8ポイントの大幅減。東北もマイナス30.7、前期比6.4ポイント減と低い水準が続いている。数値が高いのは北陸のマイナス18.2、中国のマイナス18.9、関東のマイナス20.4など。

 全企業の売上DI(前年同期比で増加と回答した企業割合から減少と回答した企業割合を引いた値)はマイナス7.4で、前期から4.0ポイント悪化した。これで3期連続のマイナスとなった。

 
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