中小企業庁は4月23日、新型コロナウイルス感染症の影響で経営が悪化している事業者に支援策などを紹介するリーフレットを業種別に作成した。支援策に関する問い合わせが多い「宿泊業」「旅客運輸業」など9業種を選んだ。宿泊業向けには、持続化給付金、実質無利子融資、雇用調整助成金などの支援策を挙げている。
リーフレットは、宿泊業、旅客運輸業をはじめ、「飲食業」「製造業」「卸売業」「小売業」「貨物運輸業」「娯楽業」「医療関係」の9業種別に作成。掲載された支援策の一部は、政府の緊急経済対策、補正予算に盛り込まれた施策が含まれており、予算成立が前提であるほか、変更になる場合もある。
宿泊業向けのリーフレットでは、経営課題別に支援策を例示している。主な内容は次の通り。
「売り上げが縮小する中、地代家賃などの固定費は変わらず負担に」=持続化給付金を創設し、法人には最大200万円、個人事業者には最大100万円を支給
「売り上げの減少に伴い、当面の運転資金を調達したい」=コロナ特別貸付は利子補給制度の併用で実質的な無利子化を実現。都道府県などによる制度融資を活用し、民間金融機関にも実質無利子の融資を拡大
「従業員を一時的に休業させたいが、手当ての支払いが大変」=雇用調整助成金で中小企業の場合、休業手当などの5分の4、解雇なしは10分の9を助成
「税金や保険料の支払いが負担になっている」=基本的に全ての税、社会保険料を対象に無担保かつ延滞税なしで1年間納付を猶予。公共料金関係の支払いも猶予。また、既存の事業用家屋・償却資産への固定資産税も減免
「インバウンドに頼れないので、日本人客を増やしたい」=顧客対応・販売支援システムなどを利用した付加価値を高めたサービス提供にIT導入補助金が活用可能。新たなサービス開発のための設備投資をものづくり補助金で支援
業種別リーフレットなど、事業者向け支援策は、経済産業省の新型コロナウイルス感染症の特設ページに掲載されている。