中小企業景況感、持ち直しの動き


 日本政策金融公庫はこのほど、全国中小企業動向調査の今年1〜3月期の結果を公表した。それによると、同期の小企業の業況判断DIはマイナス54.7で、前期(09年10〜12月)比5.8ポイント上昇した。また中小企業の業況判断DIはマイナス10.8で、同28.4ポイント上昇した。公庫では小企業の景況を「緩やかながら持ち直しの動きがみられる」、中小企業の景況を「持ち直しの動きがみられる」としている。

 小企業調査は全国の従業者20人未満の同公庫取引先(卸売、小売、飲食店・宿泊業は10人未満)1万企業に行い、7584企業から回答を得た。

 今期の業況判断DI(よいとする企業割合から悪いとする企業割合を引いた値)は前期比5.8ポイント上昇で、これで4期連続の上昇。ただ、その間の上昇幅は8.9ポイントにとどまり、公庫では判断を「緩やかな持ち直し」とした。来期(今年4〜6月期)の見通しは今期比1.7ポイント低下のマイナス56.4。

 業種別では、8業種すべてが上昇。このうち飲食店・宿泊業はマイナス64.7で、前期のマイナス69.4から4.7ポイント上昇した。来期の見通しは今期比2.5ポイント上昇のマイナス62.2。

 このほか製造業はマイナス53.7で、前期比9.0ポイント上昇。6期ぶりに非製造業合計を上回った。建設業はマイナス34.6で、同7.2ポイント上昇。小売業はマイナス56.7で、同4.0ポイント上昇。「1年前と比較すると、輸出回復の恩恵を受けた製造業、公需の下支えがあった建設業などは大幅に上昇したが、小売業、飲食店・宿泊業などの消費関連業種は、同様の水準にとどまっている」。

 一方、中小企業調査は原則従業員20人以上の同公庫取引先1万2603社に行い、5731社から回答を得た。

 今期の業況判断DI(前年同期比で好転とする企業割合から悪化とする企業割合を引いた値、季節調整値)は前期比28.4ポイントの大幅な上昇。ただ、来期の見通しは今期比1.6ポイント低下のマイナス12.4で、小幅ながら悪化する見込み。

 業種別では、飲食宿泊業でマイナス幅が縮小した。

 
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