中部国際空港会社は5日、ムスリム(イスラム教徒)の訪日旅行者向けに、礼拝室の新設や豚・アルコールを使わない食品の提供など、ムスリム旅行者受け入れ環境を17日から強化すると発表した。国内の空港では、成田空港や関西国際空港などがすでに、礼拝室を設置するなどムスリム受け入れ体制整備を進めている。中部国際空港も対応を急ぐことで、2大国際空港へのムスリム誘客偏重の動きに歯止めをかける狙いだ。
イスラム圏から同空港には、アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空のアブダビ便に加え、17日にマレーシアの格安航空会社(LCC)、エアアジアXがクアラルンプール便を就航するため、ムスリム客がさらに増えることが予想される。
このため、旅客ターミナルビル2階到着ロビーに設置する礼拝室を同日から使用できるようにする。国際線出発制限エリアにも4月中の使用開始を目指し、準備を進めている。
礼拝室は男女別々に礼拝できるように、パーテーションで仕切っている。利用に際し、予約や申し込みは必要なく、午前6時40分〜午後9時半に自由に利用できる。
空港内の飲食店のうち2店では同日から、マレーシア政府機関がハラール認証したレトルト食品を使ったメニューを提供する。さらに団体客向けには、原材料や調味料などに豚肉や豚由来成分、アルコールを含まない「ポークフリー・アルコールフリー弁当」の提供を始める。
国際線出発制限エリア内の免税店では同日、豚やアルコールを含まない食品の土産品の販売を開始する。
同空港会社では2月、空港内で勤務するスタッら250人を対象に、ムスリムに対する接遇についてのセミナーを開催し、ムスリム受け入れの準備を進めてきた。