亀戸、深川、臨海つなぐ 東京都江東区「水運フリーパス」を販売


水運観光を楽しむ参加者

区内に張り巡らす小用水路を観光活用

 東京都の江東区水運観光MaaSプロジェクトチームは12日、江東区の亀戸、深川、臨海の三つのエリアをつなぐ「江東区水運フリーパス」の販売を始めた。料金は1人2千円で、12月4日までの週末(11月19、26、27日を除く)に運航。区内に張り巡らすかつての小用水路を観光アクティビティ、交通手段として有効活用する。

 フリーパスの販売は、令和4年度観光庁「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の一環として実施。事業主体は東京都屋形船組合で、試験運航の全体運営は名鉄観光サービス新宿支店、パスの販売はKlookが担っている。同事業では江東区、江東区観光協会などが支援している。

 フリーパスでは、江東区内を楽しめるよう(1)越中島から番所橋を結ぶ“周遊コース”(2)オリンピック東京2020大会で使用した競技場が船上から見られる“臨海地区コース”(3)巨大閘門(こうもん)「荒川ロックゲート」をくぐり抜け、昭和の日本が残る亀戸を結ぶ“亀戸コース”(4)月島もんじゃストリートや下町情緒あふれる門前仲町、富岡八幡宮の散策にぴったり“深川コース”―の4コースを用意している。

 乗船は、Klookフリーパス購入後、交通チケットを乗船時に掲示することで可能に。乗船地点で交通チケットを開いた際のGPSデータ(場所、時間、属性)は、事業の調査項目として活用される。

 名鉄観光サービス新宿支店の三好満夫課長は「事前申し込み以外に、当日に関心を持ち乗船した人もいる。コースのストーリーや時間・ルート設定の見直しなど課題はあるが、東京一の水運観光資源を持つ江東区への国内外からの誘客、地域振興につなげたい」と話す。参加者からは「区内での再発見につながった」などの声が上がった。

 江東区で展開される同事業では、フリーパスの販売以外にJRの駅を活用した街歩き、障害者にも対応するユニバーサルツーリズムの検証などが行われている。

水運観光を楽しむ参加者

 
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