茨城県北茨城市の五浦観光ホテルは9月から「がんばっぺ茨城 がんばっペ五浦」と銘打った、団体向けの災害復興支援プランをスタートした。これから旬を迎えるアンコウを使った「あんこう鍋」もしくは磯船盛りが付いて1人9800円(税別)と気軽に足を運べる値段設定の上、宿泊料のうち200円を北茨城市への復興支援金として寄付できる。首都圏を中心により多くの人に足を運んでもらい、海の幸や温泉を楽しみながら茨城の観光復興を後押ししてもらおうと企画した。
災害復興支援プランは、15人以上の団体向けで1日3組限定。目の前で名物のメヒカリをカラリと揚げて提供する「目光唐揚げの実演」が付くのがウリだ。
このほか食事時の酒1本もしくはジュース1本サービスやカラオケサービスなど、五浦に因んだ5つのサービスも用意。「いっぱいの笑顔での『おもてなし』も5つのサービスの1つ。お客さまを明るい笑顔でお迎えします」と村田雅彦・同館取締役はアピールする。
設定期間は来年7月31日まで。あんこう鍋はアンコウの旬である3月31日までの期間限定で提供する。休前日と休日、年末年始、ゴールデンウイーク期間は除外日となる。
北茨城市は東日本大震災で震度6を超える揺れを記録したほか6メートルを超える津波が到達。日本美術院を設立した岡倉天心にゆかりがあり、五浦観光ホテルから望めた国の登録の有形文化財「茨城大学五浦美術文化研究所六角堂」が流出するなど大きな被害を受けた上、風評被害により観光客も激減している。
しかし、11月からは六角堂の復元工事が始まるほか、茨城県立天心記念五浦美術館が再開するなど観光復興への動きが本格化しており、明るい話題が目白押しだ。
村田取締役は「五浦から近い福島・いわきでは、スパリゾートハワイアンズが再開、11月末には観光施設『いわき ららミュウ』もリニューアルオープンする。ぜひ茨城にに足を運んで観光を楽しんでほしいし、併せて観光の復興を応援してもらえれば」と来訪を訴えた。
宿泊プランのチラシ