観光庁の井手憲文長官は1月24日、中国・北京で中国国家旅游局の邵○偉局長(○は王へんに其)と会談した。尖閣諸島の9月の国有化後、初の会談。日中関係が冷え込む中、観光が両国の友好関係に果たす役割の重要性を確認し、相互交流を拡大する必要性で意見が一致した。
井手長官が専門紙向け会見の中で明らかにした内容によると、井手長官が国連が定めた国際観光年(1967年)のスローガン「観光は平和へのパスポート」を引用しながら「双方の観光を伸ばすことが二国間の他の問題にも良い影響を与える」と述べると、邵局長も「民間外交」である観光交流を伸ばす必要性について言及したという。
井手長官は、中国での訪日観光の宣伝広告やイベントについて、今後も従来通り積極的に実施していく考えを伝えた。邵局長からは、訪日プロモーションの実施に何ら問題はない旨の返答が得られたという。
ASEAN+3の観光会合に出席 鶴保副大臣、井手長官
ASEAN(東南アジア諸国連合)を構成する10カ国と日本、中国、韓国の観光担当の閣僚級が集まる「第12回ASEANプラス3観光大臣会合」が1月21日、ラオス・ビエンチャンで開かれた。日本からは鶴保庸介国土交通副大臣、観光庁の井手憲文長官が出席した。
鶴保副大臣は、今年の日本ASEANの交流40周年を契機に連携をさらに強化し、官民を挙げてASEANとの観光交流の拡大に注力する考えを表明した。
大臣会合の共同メディア声明では、2017年までの5カ年を対象とする観光協力計画を採択し、その推進に向けてASEANと3カ国で作業部会を設置することなどが発表された。
日本側は、ASEAN10カ国すべてと韓国、ASEAN事務総長とそれぞれに個別に会談し、日本との観光交流の促進などについて意見交換した。