
「withコロナ時代の京都観光の打ち手とは? マイクロツーリズムの可能性を探る」と題したオンラインセミナーが6月25日に開かれた=写真。仕事や趣味、地元に愛情を注ぐユニークな住民がガイドを務めることで人気の京都街歩きツアー「まいまい京都」を運営する以倉敬之代表らが観光の展望を語った。
オンラインセミナーは観光経済新聞社、やまとごころ、日本観光地域活性化機構が主催で、観光関係者など約600人が参加した。
まいまい京都は、名庭の庭師が仕事を紹介するコースや表具屋の主人が門前町の老舗をガイドするコースなど京都の魅力に触れるミニツアー。2019年のツアー数は720本、参加者数は1万3844人に上った。
参加者の居住地別の構成比は京都府が40.1%、続いて大阪府が20.3%、兵庫県が10.3%となるなど、地元や周辺エリアからの旅行者に高い支持を得ており、リピート率も高い。以倉代表は「ユニークなガイドが400人以上いる。街の最大の魅力はヒトだ。ヒトがモノ、コトの魅力を引き出す」と語る。
まいまい京都は、補助金などではなく、自主的な運営のため、新型コロナによるツアー中止の影響は大きかったが、オンラインツアーなどの成功を経てツアーを徐々に再開し、6月は全コースが満員になった。
セミナーでは、京都市観光協会(DMO KYOTO)の赤星周平事務局次長も講演。観光客の急増などオーバーツーリズムが課題となる中で迎えたコロナ禍。需要回復に向けた市民対象の地元応援企画「京都で食べよう、泊まろうキャンペーン」などを紹介した上で、「中長期的にはしっかり外需を取り込むべきだが、そのためにはマイクロツーリズムなどで地域に貢献し、観光への理解を深めてもらうことが大事」と述べた。