熊本県の人吉球磨エリアでは、着地型の体験プログラム「時感(じかん)の旅」の提供を通じた観光の活性化に取り組んでいる。人吉球磨広域行政組合は12月6日、「時感の旅」の発表会を人吉市の旅館、清流山水花あゆの里で開いた。地元10市町村の関係者にコンセプトや新しいプログラムを紹介。着地型観光への意識を高め、地域を挙げた取り組みにしていきたい考えだ。
発表会では、「時感の旅」のコンセプトなどをJTBコミュニケーションズ九州シニアアドバイザー(花笑み工房主宰)の猿渡弘治氏が紹介したほか、人吉温泉観光協会理事(清流山水花あゆの里社長)の有村充広氏が販売手法などについて説明した。
「時感の旅」は、旅行者の滞在時間や宿泊を増やそうと、地元関係者のワークショップなどを経て企画された。「時を感じる。五感に響く。」をキャッチコピーに付加価値にこだわったプログラムを提供し、リピーターの確保や口コミの喚起など、人吉球磨のファンの獲得を目指す。
15年秋~冬には、地域資源を生かした13の体験プログラムを展開した。これまでにサイクリングで里山を巡り、あぜ道で農家料理を楽しむプログラム、自分で作った箸で里山の料理を味わうプログラムなどが一定の評価を得ている。
11月上旬から提供している、旅館の女将らが考案した新プログラムを紹介。着物を着て街歩きと抹茶を楽しむプログラムをはじめ、朝の座禅、球磨焼酎の蔵見学などのプログラムを説明した。
体験プログラムなど着地型商品の情報は、人吉市のつばめ旅行センター、人吉温泉観光協会、くま川鉄道に集約し、提供するほか、ウェブを活用したPRを強化していく。