令和トラベル、「海外旅行の回復予測」発表


 令和トラベルは14日、「海外旅行の回復予測」を発表した。

「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションにする海外旅行代理店業の株式会社令和トラベル(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:篠塚 孝哉)は、アフターコロナにおける海外旅行の回復予測を発表しました。
概要

  • 海外渡航者数が過去最高を記録した2019年水準に戻るのは「2025年」か。
  • 回復が早い国や地域としては、「ワクチン接種率の高い欧米諸国」「観光依存度の高い国・地域(ハワイ、タイ等)」を予測。
  • 客層は、ビジネスなど目的が明確にある旅行者等から回復。海外旅行初心者やファミリー層が戻るのは、2024年頃になると予測。12歳未満のワクチン接種が行き渡り、旅行費用増の要因となる入出国前のPCR陰性証明書の提出がなくなり、コロナ前に近い入出国手続きで海外旅行に行けるようになってからになる見通し。

調査の背景

2021年4月に令和トラベルを創業し、約1年が経とうとしています。当初2021年夏頃を予定していた海外旅行予約アプリ「NEWT」のリリースですが、夏はデルタ株が、冬はオミクロン株が流行し、立て続けに延期となりました。
現在、新型コロナウイルスの感染者数は2月上旬のピーク時より落ち着き、実効再生産数0.95(3月1日時点)と減ってはきているものの、まだまだ予断を許さない状況が続いております。また世界ではウクライナ情勢により、ロシア、ウクライナの上空を回避した飛行ルートで運行され、一部飛行機の欠航などもでており、観光業にとって大きな影響を与えています。
そのような中で、今回令和トラベルとして海外渡航の回復予測を行う背景として、今月からはじまった「水際対策の緩和」があります。2022年3月1日に水際対策の緩和が行われ、もともと海外から日本入国後、原則7日間の自宅もしくはホテル隔離を強いられていましたが、ワクチン3回接種及びオミクロン非指定国(ハワイ、グアム、タイ、オーストラリアなど)であれば日本帰国後の隔離がなしとなりました。

水際対策の緩和が発表されて以降、2022年3月に入り、お問い合わせや予約数は同年1月と比べて1.6倍と急激に増えてきています。そのため、このタイミングでFY22 (*1)以降の海外旅行がどうなっていくのか、2019年水準まで戻るのはいつか、そして今後、海外旅行はどうなっていくのかの展望を記載していきます。

*1 FY=会計年度(FY22=2022年4月1日~2023年3月31日)
※今後のウクライナ情勢による渡航や観光業への影響について不明瞭な部分も多いため、今回は加味しないものとしています。 

1.海外旅行の回復予測を考える上での前提条件

まず大前提として、コロナ禍で各国が海外渡航に関する制約・条件を設けている中で、「この条件がどのように緩和されていくのか」、「その時に、その条件を満たして渡航できる人がどのくらいいるのか」を、各国の現状の渡航条件やワクチン接種率などの情報から推計することで、2019年に2,000万人を超えていた海外渡航者数が、今後どのように回復していくかを試算しています。
具体的には、渡航条件を踏まえて大きく3つの段階を経て市場が戻っていくと想定しました。それぞれの段階について、日本では人口の何%が該当するかの仮定を置き、これを日本からの渡航者の多い20ヶ国について見ていくことで、海外旅行市場全体の傾向を掴んでいく、ということを試みました。
3つの段階とその時の渡航可能対象者は下記のように想定しています。

渡航回復の3段階と渡航可能者の割合渡航回復の3段階と渡航可能者の割合

  • *1: 実際には観光入国ができなくてもビジネス渡航を認めているケースなどがあるため0%にはならないが、簡単のため0%と仮定
  • *2: 最新のコロナワクチン接種済み者の割合として試算。現在の2回接種済み者80%に対し、その8割が3回目(今後継続接種が求められる場合は最新のワクチン)を接種すると仮定。実際には現時点で3回目接種はこの水準に達していないが、FY22は帰国時隔離等の影響加味し別途調整
  • *3: JTB総合研究所の「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査(2021年2月)」にて、“個人で好きなように海外旅行ができるようになっても、しばらくは海外旅行を控えたい”と考える人の割合で計算(渡航地域別)

このような考え方で、3段階の推移の仕方の幅によって、楽観・ベース・悲観、と3つのシナリオを考えました。

2.海外旅行の回復予測 (2019年比)

では、今後市場はどのように回復し、コロナ前、海外渡航者数が過去最高を記録した2019年水準にはいつ戻るのでしょうか。 

海外旅行の回復予測(楽観、ベース、悲観)海外旅行の回復予測(楽観、ベース、悲観)

【ベースケース】
令和トラベルでは、ベースケースとして、FY22に約40%、FY23で約65%、FY24に約80% と戻っていき、FY19水準になるのはFY25頃ではないかと予想しています。その後は過去水準と同程度(FY15-FY19の年率成長率5%)で成長するというのが見立てです。

海外旅行の回復予測(ベースケース)海外旅行の回復予測(ベースケース)

【楽観ケース】
一方で、楽観ケース、具体的には、コロナウィルスが弱体化するなどして脅威でなくなり、渡航に際するワクチン接種の条件が早期になくなる、人々の海外渡航に対する抵抗感も解消が早い、といった場合には、FY24時点で、FY19の水準になるのではないかと考えています。

海外旅行の回復予測(楽観ケース)海外旅行の回復予測(楽観ケース)

【悲観ケース】
そして、現実になって欲しくはないですが悲観ケース。例えば、デルタ株のような感染力が強く重症化リスクも高い変異種やワクチン耐性を持つ変異種が現れてしまった場合などは、逆に戻りが1年程度遅くなり、FY26でやっとFY19水準に戻る、という試算をしています。

海外旅行の回復予測(悲観ケース)海外旅行の回復予測(悲観ケース)

3.今後の展望

>どのような国・地域から海外旅行が回復していくのか?
基本的には、以下の国・地域から回復していくと予測されます。

●ワクチン接種率(ブースター)の高い国・地域
アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、スペインなどの欧米諸国

●GDP等における観光業の割合が高い国・地域
ハワイ、グアム、タイ、バリ島、フィジー、ランカウイ島など観光業が国の大事な収入源になっている国・地域

その他、国の方針としてwithコロナを目指していくのか、0コロナを目指していくのかで大きく変わってきます。例えば韓国や中国、シンガポールなどはワクチン接種率が高いものの観光渡航ができない状況です。

各国のワクチン接種と日本からの観光渡航状況各国のワクチン接種と日本からの観光渡航状況

>どのような旅行者から戻っていくのか?
まず大前提として、コロナ前と現在旅行することの大きな変化として以下があげられます。

①旅行費用
原則、日本を出国する際と、帰国する際にクリニックでPCR検査を受ける必要があり、行き、帰りの計2回で1人あたり4〜5万円ほどかかります(エリアや検査方法による)。4人家族で旅行などする場合は検査費用だけで数十万がホテルや航空券代とは別にかかってきます。

②渡航手続き
今まではほとんどの国をパスポート一つで行き来できていたのが、現在、アメリカであれば日本出国と帰国時に以下が必要になってきます。(2022/3/4時点)
<日本出国時>
– 日本出国1日以内のPCRの陰性証明書
– ワクチン接種証明書
– 宣誓書の提出
– ESTA
<日本帰国時>
– 現地出国72時間以内のPCRの陰性証明書
– 誓約書の提出
– 質問票の提出
– MySOSアプリの準備
各国によって入出国の条件が異なり、また常にアップデートされるので最新の情報を収集する必要があります。

③安心・安全
仮に現地で陽性反応がでた場合は、陰性判断がされるまで飛行機等に乗れず現地で待機しないといけません。

上記より、まずは目的が明確にある人(ビジネスでの業務渡航やハネムーン、帰省など)、お金と時間に余裕のある富裕層から動き出し、その後、PCR費用や入国条件などがより緩和され、はじめて、海外旅行経験が複数回ある旅に慣れている人たちが行き始めると予測しています。海外旅行初心者やファミリー層が戻るのは、12歳未満のワクチン接種が行き渡り、旅行費用増の要因となる入出国前のPCR陰性証明書の提出がなくなり、コロナ前に近い入出国手続きで海外旅行に行けるようになってからで、2024年頃になる見通しです。

詳しくは令和トラベル公式noteをご覧ください:
【調査】アフターコロナ 海外旅行の回復を予測してみた。
https://note.com/reiwatravel/n/nc9a9f4959d0d

 
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