伊勢志摩学生団体誘致委員会(学誘委)は、学生団体旅行ガイドブック「伊勢志摩においないさぁ」(全46ページ)を作成し、希望する学校、旅行会社などへの配布を8月から始めた。同ガイドブックは伊勢志摩観光コンベンション機構公式サイト「伊勢志摩観光ナビ」内の「教育旅行ページ」(https://www.iseshima-kanko.jp/business/gakuyu)でもダウンロードできる。
学誘委は、三重県、伊勢志摩地域の3市1町(伊勢市、鳥羽市、志摩市、南伊勢町)、観光協会、商工会議所、商工会、宿泊施設、観光施設、交通事業者、旅行会社など、47団体で構成されている。国内外からの学生団体旅行などを伊勢志摩地域へ誘致することを目的に活動している。
学誘委の提案する教育旅行の学習テーマは「自然・歴史・文化から学ぶ美し国・環境学習」。「自然体験」分野では、伊勢志摩国立公園という日本の原風景を残す風光明媚なフィールドの中で学ぶ体験学習や自然の産物に触れ、それを生業とする仕事について学ぶキャリア学習ができる。「歴史・伝統・文化」分野では、伊勢神宮に学ぶ循環と再生の歴史をテーマとした環境学習や日本文化遺産に認定され、今もなお継承されている海女文化について学ぶことができる。「食文化」分野では、「御食国(みけつくに)」として神事の際に用いられる海産物を朝廷や神宮に献上してきた食文化の歴史を学ぶことができる。
また、伊勢志摩地域では、SDGsに沿った「真珠の取り出し体験」「エコシーカヤック体験」「海女小屋体験」「ガイド付き神宮参拝」など数々の体験型学習メニューも充実している。
学誘委では、1次産業や文化・歴史、環境教育を通じて子どもたちの「生きる力」を育むための事前・事後学習を含めた修学旅行を提案。伊勢志摩を深く知ってもらい現地学習への理解、意欲、期待を高める「事前学習」に加え、実際に見て感じる
「現地学習」、理解したことや疑問に思ったことをフィードバックする「事後学習」をセットにした体験プログラムを学校側に提供している。
例えば「漁村から発見するSDGsプログラム」では、修学旅行の2カ月前から出発までにオンラインと動画で約30分間の事前学習を実施。漁業の背景、概要、現状課題と漁業の取り組みを学ぶ。現地学習では、チャーター船で離島に渡り、魚市場の見学、入札体験、漁業の「挑戦」についての質疑応答など現地ならではの体験を行う。事後学習は、修学旅行の2カ月後以内にオンラインと動画で70~90分間実施。漁業従事者に対して、現地での体験を通じて感じたことを伝えたり、今後の漁業に向けて考えたことを提案したりする。
学誘委では、伊勢志摩の豊かな自然を生かして造成したSDGsプログラムの専用冊子も学校・旅行会社向けに用意している。
ガイドブックの表紙
漁村から発見するSDGsプログラム