戸倉上山田温泉旅館組合連合会(長野県千曲市、宮川光男代表)は10日、東京の全国旅館会館で報道陣との懇談会を開き、今年10〜12月の信州デスティネーションキャンペーン(DC)に向けた温泉地の新たな取り組みを説明した。同温泉では「健康・長寿」をテーマに、従来の温泉と歩く魅力に加え、食を前面に打ち出し、新たに開発した食品「まぁーず」や、「おしぼりうどん」、カフェ巡りなどを観光素材としてアピールする。
「まぁーず」は、長野県旅館ホテル組合会青年部会が開発した調味料。地元特産品の味噌、酒粕、野沢菜を混ぜたもので、豆腐、肉、魚など様々な食材と掛け合わせて食べる。健康によいとされる発酵食材のコラボレーションが料理の味を引き立たせるとともに、食べた人の健康増進をもたらすという。今後、旅館の料理メニューで提供するほか、土産品として商品化も計画している。
長野県は男性の平均寿命が全国1位(平成17年調査)で、1人当たりの老人医療費が平成2年度以降18年連続で全国一の低さを誇る。その長寿の秘訣として、温泉などとともに健康食をアピールする。域内ではこのほか、地元特産の辛み大根のしぼり汁と味噌を溶かして食べる「おしぼりうどん」や、温泉地に点在するカフェ巡りを観光魅力として提案する。
懇談会で宮川代表は「地元では信州DCに向けて、新しい着地型商品を開発している。我々の意を汲み、宣伝にご協力を」とあいさつ。事業委員長の武井功氏は「一連の取り組みが温泉地に宿泊していただける動機付けになればありがたい。DC後も長野新幹線の延長開業を見据え、商品のブラッシュアップを引き続き行いたい」と述べた。
宮川代表