先行き見通し厳しく、設備投資控える傾向 帝国DB企業調査 


 帝国データバンクはこのほど、2020年度の設備投資に関する企業の意識調査を行った。今年度に設備投資を行う予定の企業割合は前年度から大きく低下し、新型コロナウイルスによる先行きの不安から設備投資を控えると回答した企業が多く見られた。

 20年度に設備投資計画が「ある」(「すでに実施した」「予定している」「実施を検討中」の合計)企業は52.8%となり、前年度(19年4月、62.3%)から9.5ポイントの大幅減。一方、「予定していない」は38.0%で、同8.4ポイント増加した。

 設備投資計画があるとした企業割合を規模別に見ると、「大企業」が63.0%、「中小企業」が50.7%、「小規模企業」が40.4%となった。9の業界別では「運輸・倉庫」が68.1%で最も高く、以下「農・林・水産」(62.1%)、「製造」(60.9%)と続く。「サービス」は52.8%で同7.0ポイント減。

 設備投資の内容については(複数回答)、19年度、20年度ともに「設備の代替」が1位(19年度が45.5%、20年度が40.4%)、「既存設備の維持・補修」が2位(同33.3%、31.5%)。20年度の3位は31.2%の「情報化(IT化)関連」で、前年度の4位から上昇した。新型コロナウイルスの影響で各企業がテレワークを推進し、パソコン関連の設備投資が増加したことが要因と見られる。

 20年度に設備投資を「予定していない」企業の行わない理由は(複数回答)、前年度に続き「先行きが見通せない」が64.4%で最も多く、前年同月比で20.0ポイント増加した。特に中小企業(65.4%)が大企業(56.7%)を大きく上回っており、先行き不安を抱く企業は中小企業で目立っている。

 
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