帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の4月分を公表した。同月の景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は前月比0.6ポイント減の49.8と、2カ月ぶりに悪化した。50を割り込むのも6カ月ぶりで、「国内景気はコスト負担増に工事量減少や生産活動の停滞も重なり、足踏み状態が続く」(同社)。51の業種別では、旅館・ホテルが同0.3ポイント減の51.7と、3カ月ぶりに悪化した。
10の業界別では、全てが悪化した。全業界の悪化は株式・為替市場の大幅な変動が響いた2013年6月以来4年10カ月ぶり。
このうちサービスは同0.3ポイント減の52.8と2カ月ぶりに悪化。サービス15業種では、旅館・ホテル、娯楽サービスなど11業種が悪化。改善は飲食店、広告関連、情報サービス、医療・福祉・保健衛生の4業種のみだった。情報サービスはAIやビッグデータ、ロボット関連への旺盛な投資が追い風になったとみられる。
10の地域別では、9地域が悪化。北陸(0.2ポイント増の48.7)のみが改善した。
規模別では、大企業、中小企業、小規模企業の全てが悪化した。このうち小規模企業は同1.1ポイント減の48.1と、2016年2月以来2年2カ月ぶりの大幅悪化となった。
景況感について、企業の主な声は次の通り。
「インバウンド需要が旺盛で、特に化粧品の需要は好調」(現在、良い、化粧品卸売)。
「福利厚生や研修旅行の発生がここ2年好調」(現在、良い、一般旅行)。
「高額な商品(クルーズやヨーロッパ方面の海外旅行)の売れ行きが今一つ」(現在、悪い、旅行代理店)。
「人員不足のため、稼働率が低い」(現在、悪い、一般乗用旅客自動車運送)。
「賃金アップや働き方改革が消費に良い影響を与えそう」(先行き、良い、がん具・娯楽用品小売)。
「消費税率引き上げの発表など、2018年後半は小売にとって厳しい年になる」(先行き、悪い、各種食料品小売)。