帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の今年7月分を公表した。同月の景気動向指数(景気DI=0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比1.1ポイント増の43.6で、2カ月ぶりに改善した。「サブプライム問題」拡大前の2007年5月(43.8)以来、6年2カ月ぶりの高水準。中小企業が大企業を上回る改善幅を示し、「大企業を中心としていたアベノミクス効果が中小企業にも表れている」と同社では指摘している。
10の業界別では、「その他」を除く9業界で前月比改善した。このうち「サービス」は同0.4ポイント増の47.6と、2カ月ぶりに改善。サービス業15業種の中では、「旅館・ホテル」が同3.1ポイント増の51.4と、2カ月ぶりに改善した。「娯楽サービス」は同3.8ポイント減の36.7と、2カ月ぶりに悪化した。
「運輸・倉庫」は同1.2ポイント増の42.9。「円安で訪日外客数は増加基調にあり、個人消費が上向く中、旅行関連の拡大も増加の要因となった」と同社。
10の地域別では、今年2月以来、5カ月ぶりに全地域で改善した。このうち北海道は同2.6ポイント増の47.4で、調査開始以来初めて第1位に上昇した。公共工事の稼働が本格化している建設業が7カ月連続で改善した。
北関東は同2.7ポイント増の42.8で、10地域で最大の改善幅となった。東北は同0.1ポイント増の45.9。小売など4業界が悪化し1年11カ月ぶりに10地域中2位に後退した。
規模別では、大企業が同1.1ポイント増の47.0。中小企業が同1.2ポイント増の42.6。小規模企業が同1.1ポイント増の42.2。2カ月ぶりに全規模で改善した。
回答企業のコメントでは、「アベノミクス効果で個人消費が上向いてきており、旅行業界(レジャー)は上昇傾向と予想」「円安効果によるインバウンド需要の高まりと、国内旅行志向が強いため当面は良い状況が続くと思われる」などの声があがっている。