全国企業の景気DI、2カ月連続で悪化


 帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の9月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.5ポイント減の44.6と、2カ月連続で悪化した。「集中豪雨などの天候不順や公共工事の減少が地域経済を下押しする要因となっている」と同社。ただ、ガソリン価格の低下でコスト負担が緩和したことなどで運輸・倉庫業界でDIが改善。「国内景気は二極化が進んでいる」(同)とした。旅館・ホテルは同0.7ポイント減の58.3と2カ月連続で悪化した。

 51の業種別では、18業種が好転、2業種が前月並み、31業種が悪化した。

 上昇率が高かったのは、6.3ポイント増の家電・情報機器小売と電気通信、4.8ポイント増の電気・ガス・水道、熱供給。

 10の業界別では、4業界が好転、1業界が前月並み、5業界が悪化した。

 このうちサービスは同0.5ポイント減の49.6と2カ月連続で悪化。3カ月ぶりに50を下回った。旅館・ホテルほか、飲食店(同6.0ポイント減の45・3)が天候不順による野菜価格高騰で原価率が上昇、利益に影響した。

 製造も同1.0ポイント減の43.2と悪化。中国経済の減速などが要因で、機械関連業種が大幅に悪化した。

 金融(同0.2ポイント減の46.3)も中国を発端とした世界同時株安で、証券業関連で大きく悪化した。

 景況感の回答で主なものは次の通り。

 「大阪のホテル業としては、円安により外国人客が増加し景況感は良い」(現在、良い、旅館)。

 「新幹線開業効果も半年が経過し、一服感は否めない。ただ能登方面ではNHKの朝ドラの影響もあり観光業が例年にまして活況を呈している」(現在、良い、左官工事)。

 「数年ぶりのシルバーウイークに加え天候にも恵まれ、人とモノがよく動いた」(現在、良い、食料品小売)。

 「プレミアム宿泊券の需要が一段落したあと、反動減が起こると思われる。中国のインバウンドも不透明な状況である以上、期待はできない」(先行き、悪い、旅館)。

 「野菜や肉の高値が継続しており、提供価格を維持することが難しくなりつつある」(先行き、悪い、中華料理店)。

 「北海道として捉えると観光客の入り込み数は増えてきているが、8割以上がアジア系であり、今後の世界情勢を考えると激変する可能性が十分あり得る」(先行き、どちらでもない、自動車部品小売)。

 
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