帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の、今年9月分の結果を公表した。それによると、同月の企業の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.5ポイント減の32.7で、2カ月連続で悪化した。円高、外需の減速に加え、エコカー補助金など政府の政策支援の終了も下押し要因となり、「国内景気の失速は鮮明で、踊り場局面に入りつつある」と同社。業界別では、旅館・ホテルが同4.6ポイント悪化した。
調査は全国企業2万2707社を対象に行い、1万1349社から有効回答を得た。
DIを10の業界別にみると、建設、不動産、その他の3業界以外で前月から悪化した。
サービスは同0.5ポイント減の33.1。2カ月連続で悪化し、10業界で唯一、リーマン・ショック前を下回る水準が続いた。この中で「旅館・ホテル」が同4.6ポイント悪化の27.8。「娯楽サービス」(30.7)も同1.2ポイント悪化した。
小売は同1.4ポイント減の31.8。2カ月連続で悪化した。エコカー補助金が9月7日に終了したことで、「自動車・同部品小売」が同10.8ポイント減の31.9と、02年5月の同調査開始以来、最大の悪化幅となった。
製造は同0.6ポイント減の35.3で、サービスなどと同様、2カ月連続で悪化した。欧米の景気減速や円高などの影響で「電気機械製造」「輸送用機械・器具製造」が2カ月連続で悪化。「飲食料品・飼料製造」「繊維・繊維製品・服飾品製造」も残暑による秋冬物需要の伸び悩みなどで悪化した。
企業の規模別では、大企業が同0.5ポイント減の34.3、中小企業が同0.5ポイント減の32.2とそれぞれ悪化したが、小規模企業が28.8で、前月と同水準となった。
10の地域別では、近畿が前月から改善、九州が同水準となったほか、8地域が悪化した。南関東は同0.6ポイント減の34.0。10地域中の首位を維持したが、外需の減速や内需の停滞で、2カ月連続で悪化した。
東海は同0.8ポイント減の32.5。自動車や電機など多くの業種で悪化し、9カ月ぶりに悪化した。前月に1年11カ月ぶりに全国水準を上回ったが、再び下回った。
九州は前月と同水準の32.1。このうち宮崎(23.3)は口てい疫で人と物の流れが停滞した影響の払しょくに至らず、同0.7ポイント減と3カ月ぶりに悪化。47都道府県で4カ月連続の最下位となった。