帝国データバンクによると、09年度(09年4月〜10年3月)の全国企業倒産は前年度比2.8%減の1万2866件で、同社が倒産の集計基準を法的整理のみに変更した05年以降で初の前年度比減少となった。負債総額は同48.6%減の7兆214億6100万円で、3年ぶりに前年度比減少した。
倒産の集計対象は負債額1千万円以上の法的整理による倒産。
倒産件数が減少した要因・背景について帝国データバンクは(1)一連の景気対策や緊急保証制度が効果を上げ、年度後半は倒産減少が顕著(2)公共工事の前倒し執行による建設業倒産の減少が地方圏を中心に目立つ──などを挙げている。
倒産件数を月別にみると、年度前半は増加が続き、6月は集計基準変更後で最多となる1294件を記録。9月以降は7カ月連続で前年同月を下回るなど、年度後半は減少に転じた。ただ3月は4カ月ぶりに1ケタの減少率となり、減少幅はここにきて縮小している。
業種別では、7業種中、5業種で前年度比減少した。製造業(同8.7%増)、サービス業(同1.9%増)の2業種は前年度を上回った。
主因別では、販売不振などの不況型倒産が1万526件で、前年度を0.2%下回った。倒産全体に占める割合は81.8%で、前年度の79.7%を上回り、4年連続の前年度比増加となった。収益環境が厳しい中小・零細企業が高水準で推移している。
地域別では、9地域中、7地域で前年度を下回った。北海道が同30.0%の大幅減となったほか、東北など地方圏で減少が目立った。関東、中部は前年度を上回った。
規模別では、負債総額5千万円未満の零細企業の倒産が5739件で、前年度を6.7%上回り、負債額別で唯一の増加となった。負債100億円以上の大型倒産は58件にとどまり、前年度比57.0%の大幅減となった。