全国企業の12月景気DI、2ヵ月ぶりに悪化 旅館・ホテルは改善


 帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の2018年12月分を公表した。同月の景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は前月比0.1ポイント減の49.4と、2カ月ぶりに悪化した。「国内景気は年末需要が見られたものの、人手不足に拍車をかけたほか、輸出減速などに伴い製造業が悪化するなど弱含み傾向が続いた」(同社)。業種別では旅館・ホテルが同0.2ポイント増の45.7と、2カ月連続で改善した。

 10の業界別では6業界が改善、3業界が悪化、1業界が横ばいだった。

 このうちサービスは同0.5ポイント減の52.7と、6カ月ぶりに悪化した。サービス15業種では、旅館・ホテル、飲食店など7業種が改善。娯楽サービスなど8業種が悪化した。

 運輸・倉庫は同0.4ポイント増の50.5と、2カ月連続で改善。冬季賞与の増額を背景に年末年始の長期休みを利用した海外旅行や国内旅行の予約数が増加し、旅行業へプラスに働いた。

 製造は同0.8ポイント減の49.2と、2カ月ぶりに悪化。中国向け輸出の減速や小型乗用車の国内販売低迷が響いた。

 10の地域別では、四国など3地域が改善、南関東など3地域が悪化、近畿など4地域が横ばいだった。前年同月比では2年3カ月ぶりに全ての地域で悪化した。

 規模別では、大企業が同0.3ポイント増の51.7と、5カ月ぶりに改善。中小企業が同0.2ポイント減の48.8と、2カ月ぶりに悪化した。中小企業のうち、小規模企業は前月と同水準の48.2。

 景況感に関する企業の主な声は次の通り。

 「インバウンドや国内旅行の増加でホテル棟の新築、改装が旺盛」(現在、良い、電気配線工事)。

 「訪日客の増加が好影響」(現在、良い、料理品小売)。

 「人手不足が顕著に影響している」(現在、悪い、一般乗用旅客自動車運送)。

 「東日本大震災関連が終局に近づき、公共事業が激減」(現在、悪い、土木建築サービス)。

 「ラグビーワールドカップの一部試合が地元で開催される」(先行き、良い、貸事務所)。

 「大阪万博などが決まり、関西にも活気が出てくると見られ、需要は上がると思われる」(先行き、良い、化学機械・同装置製造)。

 「東京五輪を控えて観光客が増加する中で、スマホにおけるウェブ環境もまた第5世代を迎えており、新たなデジタルコンテンツが必要とされている」(先行き、良い、広告)。

 
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