帝国データバンクによると、今年8月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は789件で、5年11カ月ぶりの800件割れとなった。負債総額は1635億7千万円で、2カ月連続で前年同月を下回った。
件数は前年同月比7.3%、前月比17.1%のそれぞれ減少。3カ月ぶりに前年同月を下回った。低水準となった要因、背景として同社では(1)公共工事や住宅着工戸数などの増加を背景に、建設業が前年同月比33.7%の大幅減少(2)全9地域中6地域で前年同月を下回り、うち4地域は2ケタの大幅減少—などを挙げている。
倒産件数を7業種別にみると、4業種で前年同月を下回った。このうち建設業(165件、同33.7%減)は11カ月連続の減。製造業(96件、同20.7%減)は2007年4月以来、6年4カ月ぶりに100件を下回った。
不動産業(31件、同55.0%増)、運輸.通信業(34件、同36.0%増)、小売業(156件、同13.9%増)の3業種は前年同月を上回った。
地域別では、東北(15件、同62.5%減)が2000年以降で最少となった。北海道(21件、同44.7%減)、中国(30件、同14.3%減)なども減少。東北は復興需要などで建設業が大幅減。
一方、中部(113件、同20.2%増)と北陸(31件、同19.2%増)は前年同月を上回り、四国(17件)は前年同月と同数だった。
負債総額は前年同月比19.1%、前月比8.9%それぞれ減少。負債10億円以上の倒産が26件にとどまり、2カ月連続の30件割れとなった。