全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)シルバースター部会の中村実彦部会長(長野県・ホテル五龍館)は9月17日、東京ビッグサイト青海展示棟(東京都江東区)で行われた展示会「スパ&ウエルネスジャパン2020」(インフォーママーケッツジャパン主催)のセミナーで、オンラインツアー、EC(電子商取引)、ワーケーションなど、コロナ下の観光地や温泉地の動きを講演した。
「オンライン化で温泉地を元気に」と題して行われ、中村氏のほか、温泉家でスプリングラボ合同会社CEOの北出恭子氏が登壇した。
中村氏は新型コロナウイルスが感染拡大した3月以降の観光業界の厳しい状況を述べるとともに、収入を得るためにECによる物産販売に取り組む地元長野県の事例を紹介。
また、早くから光ファイバーが敷かれた利点を生かし、自然の中にコワーキングスペースを開設した地元白馬村のワーケーション受け入れに関する取り組みを解説した。白馬村にはさまざまな体験プログラムを盛り込んだグランピング施設もオープンし、1泊8万円からと高額ながら人気を集めている。
北出氏はインターネットによるオンラインツアーに取り組む別府温泉(大分県)や琴平バス(香川県)の事例を挙げ、「リアルでは行けないところに行ける、リアルを超えた取り組み」と、その魅力を述べた。
中村氏はオンラインツアーについて、「オンラインで予習すれば、リアルの旅も充実したものとなり、後のEC販売にもつながる」と、顧客、受け入れ側双方の利点を述べた。
講演する中村部会長(右)