全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部(横山公大部長=高知県高知市・土佐御苑)は18日、東京のホテルニューオータニで臨時総会を開き、来年度から2年間の次期部長に山口敦史・青年部研修部会担当副部長(山形県天童市・ほほえみの宿滝の湯)を選んだ。2期連続の選挙による選出。山本剛史・青年部監事(群馬県草津町・ホテル高松)と2人が立候補したが、山口氏が僅差で当選した。山口次期部長は(1)組織力の強化(2)魅力ある事業の創出(3)災害支援ネットワークの構築──の3点を任期中の2年間で実現すると強調した。
選挙による次期部長の選出は、横山現部長が出馬した前回の2年前に次いで2回目。青年部の47都道府県部長の投票の結果、25票対22票という僅差で、山口氏が山本氏を抑え当選した。
投票に先立ち、立候補2氏が15分間のプレゼンテーションを行った。
山口氏は、「歩きつづけよう、強い絆で結ばれた仲間とともに。変わりつづけよう、明るい未来のために」というスローガンを掲げた上で、「業界の仲間に必要とされる青年部にならねばならない。業界には様々な課題が山積しているが、いずれも全力をもって対処していく。きょうはその中で『未来を変える三本の矢』を用意した」と述べ、特に取り組むべき3つの課題に言及。
組織力の強化では、青年部員の減少傾向に歯止めをかけるため、部員拡大運動と風通しのいい組織の構築、会員のメリットの追求の3つを挙げた。
魅力ある事業の創出では、異業種とのコラボレーション事業と観光庁との協働事業、“流通革命事業”の3つを行うとした。
また災害関係では、先の東日本大震災を踏まえ、青年部独自の支援ネットワークを構築し、起こり得る災害への備えにしたいと述べた。
山本氏は、消費税の内税表示撤廃、東北復興協議会の立ち上げ、地熱発電反対などの政策事業と、旅館・ホテル経営、食材リベート防止、訪日外客1800万人達成などの研修事業を掲げたが、わずかに及ばなかった。
投票後、横山部長は「山口次期部長には、先人の思いを引き継いで、後輩たちにしっかり届けてほしい。2人の健闘に拍手を送ってほしい」と出席者に呼びかけた。
山口次期部長は、9月27日に沖縄県(沖縄コンベンションセンター)で行われる2年に一度の青年部全国大会の席で、全国の青年部員らに“お披露目”されたのち、来春の通常総会から正式に第21代青年部長に就任する。
山口 敦史氏(やまぐち・あつし)
昭和46年10月15日生、40歳。平成6年専修大学経営学部経営学科卒。同年株式会社滝の湯ホテル入社、専務取締役。平成11・12年度全旅連青年部情報ネットワーク委員会委員、同19・20年度山形県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部部長、同21・22年度全旅連青年部観光まちづくり探究委員会委員長、同23・24年度全旅連青年部研修担当副部長。
握手する山口(左)、横山(中央)、山本(右)各氏