全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部(桑田雅之部長=長野県・菅平高原温泉ホテル)は4月19日、東京の全国町村会館で定時総会を開いた。民泊問題に多くの時間を取り、翌20日に陳情活動を行うなど、今後の対応を確認。今秋の青年部全国大会や来年の「旅館甲子園」など、今年度の事業計画を承認した。
桑田部長は冒頭、熊本地震の被災地支援に義援金の口座開設を表明。続いて民泊問題について、「国がある程度のルールを提示する6月までに、しっかりと活動する」と述べた。3月17日に行われたフォーラム「民泊の真実〜今、観光立国フランスで起こっていること〜」(全旅連、日本旅館協会主催)でのフランスのホテル団体トップの話を引用し、「フランスの観光業は昨年11月のテロで苦しんでいる。平和が保たれない限り、われわれ観光業は成り立たない。民泊で安心、安全が担保されるのか。こういうことをしっかりと訴えることが重要だ」と述べた。
桑田部長はまた、「これから各地域での取り組みが重要となる。東京都台東区は簡易宿所にもフロントの設置義務を課す条例を可決し、長野県軽井沢町は民泊は全面禁止の方針を決めた。皆さんもそれぞれの地域の条例を考えて、自分たちの地域の観光を守っていただきたい」と述べた。
翌20日は自民党観光産業振興議員連盟、生活衛生議員連盟、観光立国調査会観光基盤強化に関する小委員会所属の議員ら16人に陳情。「民泊でも旅館業法を適用する」「1物件年間30日以内の営業」など7項目を全旅連の北原茂樹会長、青年部の桑田部長の連名で要望した。熊本地震の被災者受け入れの準備があることも訴えた。
このほか隔年の青年部全国大会は今年10月13日に群馬県前橋市のグリーンドーム前橋で開催。旅館の魅力を従業員らがアピールする隔年事業「旅館甲子園」は来年2月22日に開催する。
総会には全旅連の北原会長、自民党観光産業振興議員連盟の細田博之会長らが出席、あいさつした。北原会長は「6月の全旅連全国大会を『不法民泊撲滅総決起大会』にしたい」と述べた。
民泊問題への対応に協力を求める桑田部長