全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部(山口敦史部長=山形県・ほほえみの宿滝の湯)は8日、京都市の京都市勧業館「みやこめっせ」で第22回全国大会を開いた。全国の青年部員800人以上が参集。次期部長に内定している桑田雅之副部長(長野県・菅平高原温泉ホテル)が所信を述べたほか、全国の青年部の優れた活動を表彰する「褒賞」の発表・表彰式が行われ、最高賞を新潟県組合青年部と島根県組合松江支部青年部が受賞した。
大会は隔年で行われ、今回は全国の青年部員843人のほか、全旅連の佐藤信幸会長ら青年部OB、旅館業界の来賓、地元から京都市の門川大作市長、京都府の山下晃正副知事らが出席した。
式典で山口部長は「今期は『維新伝心〜青年部(われら)の共創力(ちから)で未来を拓こう』をスローガンに、政策的な提言や流通対策、海外への旅館文化の発信、若手経営者の育成など、さまざまな事業を行ってきた。このあとの分科会は、各委員会が行ってきたこれまでの事業を発表する場。積極的に参加いただき、そこで学んだこと、感じたことをご自身の旅館・ホテルや地域に持ち帰り、さまざまな形で活用いただきたい」とあいさつ。
全旅連の佐藤会長は「全旅連の財産の一つが青年部だ。これほどの人数が集まる青年部組織はほかにない。今、耐震問題で国からの支援を得るためにがんばっている。青年部の皆さんと一緒になって取り組みたい」と述べた。
9月11日の臨時総会で次期部長に承認された桑田雅之副部長は、「政策的課題への対応、インバウンド、宿の直販率アップ、若手経営者育成、組織力強化—の五つの方針を掲げている。さらに各県部長にアンケートをとり、最大公約数を事業に取り入れたい。1人の青年部員が全旅連青年部のために、全旅連青年部が1人の青年部員のために、ワンフォーオール、オールフォーワンの精神で、次の2年間を取り組みたい」と述べた。
「各地の積極果敢な青年部活動」を表彰する「褒賞」(全国大会アワード)では、県・ブロック活動部門の1位(ゴールドアワード)を新潟県青年部の「にいがた地酒の宿」、地域活動部門の1位(プラチナアワード)を島根県松江支部青年部の「十数年間かけてブランディングしてきた縁結び事業」が受賞。賞状と副賞の賞金50万円が贈られた。マスコミ賞では、観光経済新聞社賞を栃木県塩原温泉・那須温泉支部青年部の「栃木県北部観光広域連携事業」が受賞した。今回は全国の青年部から37件のエントリーがあり、青年部、青年部OB会、マスコミ各社などの審査委員会が各賞を選定した。
式典に続き、3会場に分かれて分科会を実施。「流通対策」「インバウンド戦略」「異業種コラボ事業」などの委員会が研究発表を行った。
旅館の経営者、従業員らが仕事にかける思いをプレゼンテーションする第2回「旅館甲子園」の決勝大会に進むファイナリストの発表も行われた。決勝大会進出を決めたのは山景の宿流辿(宮城県)、ホテル松本楼(群馬県)、春蘭の宿さかえや(長野県)、峡谷の湯宿大歩危峡まんなか(徳島県)、土佐御苑(高知県)の5軒。大会は来年2月18日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される。
桑田次期部長(左)を紹介する山口部長