全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部の東北ブロックは4月27日、仙台市のホテルJALシティ仙台で「東日本大震災復興セミナー」を開いた。全旅連の佐藤信幸会長、佐藤勘三郎副会長・東北ブロック長から全旅連の震災対策と今後、新潟県旅館組合の野澤幸司理事長から2度の大きな地震に見舞われた同県の復興までの取り組みを聞いた。
第1部で講演した野澤氏は、中越地震の発生で新潟県内の観光客が激減する中、旅館女将が首相官邸に県内の安全性をアピールし、メディアに取り上げられたことなどで宿泊キャンセルが止まった事例を報告。「女将をうまく使う」「新潟県観光復興戦略会議のような大きな組織を作る」ことを提言した。
第2部では佐藤副会長が講演。全旅連が観光振興議員連盟などに旅館・ホテルの融資や風評被害対策を要望したことを報告するとともに、旅館・ホテルが具体的な被害額を把握した上で国などに補償を求めていくべきだとの見解を示した。
青年部の一條達也東北ブロック長、熊谷立志東北ブロック直前ブロック長、幕田勝浩福島県部長らを交えたパネルディスカッションでは、全旅連の佐藤会長が「元に戻す復興ではだめ。新しい経営のスキームが必要だ」などと復興のビジョンを述べた。
パネルディスカッション