全日本空輸(ANA)は9日、ファーストイースタン投資グループ(香港、ヴィクター・チュー代表)との間で、関西国際空港を拠点とした格安航空会社(ローコストキャリア=LCC)に関して共同出資会社を設立し事業を始めるとの基本合意書を締結したと発表した。今年末に新会社を設立し、来年度下期に運航を始める予定。ANAとは別ブランド、別コードで国内、国際便を運航し、新規需要の掘り起こしを図る。
新会社は関西国際空港を拠点に、単一機種を単純折り返しパターンで運航することや、サービスやシステムの簡略化による自動化の実現、選択性サービスの有料化などを進めることで、低コストで航空便を運航するビジネスモデルを構築する。
特に国内線は、新幹線をはじめとする鉄道や、低価格で人気を集める高速バスを意識した価格設定を行い、従来の航空便利用者とは異なる、新規需要の獲得を目指す。
新会社の出資比率は、国内投資家66.7%、ファーストイースタン33.3%。国内投資家のうちANAの出費比率は40%未満の予定。代表者、資本金、商法などは今後、設立準備組織で検討する。