公正取引委員会は25日、全日本空輸(ANA)に対し、今年2〜3月に同社が一般日刊紙に出した「プレミアムクラス」の広告について、消費者の誤認を招く内容であったとして、不当景品類および不当表示防止法(優良誤認)違反で排除命令を出した。
問題となったのは、「ANAの国内線『プレミアムクラス』、4月1日スタート」と記載された広告。座席頭部に仕切りのある新型座席の写真を使っているため、4月1日以降にプレミアムクラスを利用した場合、広告と同じタイプの座席に乗れるかのような認識を消費者に与えた。
しかし新型座席がプレミアムクラスに導入されたのは6月以降で、4〜5月は新型座席を利用することはできず、大部分の機材では、従来の座席を生地を張り替えたり座席間隔の変更をしたりすることでプレミアムクラスとして提供していた。
ANAでは排除命令を受けた広告について「プレミアムクラスのブランドイメージと名称を伝えるものだった」と説明するが、機材の仕様に関する説明不足を認め、すでに広告内容をすべて直している。
プレミアムシートは、通常運賃に7千円上乗せすることで利用できる高級座席。ゆったりした座席に乗れるほか、専用カウンターやラウンジの利用、機内食の提供などのサービスを受けられる。
今回の排除命令を受け、国土交通省航空局は同日付でANAに対し、再発防止策などについての報告を求めた。