有馬温泉(神戸市)の入初式が2日、神戸市北区の有馬小学校文化講堂などで開催された。初湯による行基像、仁西像の沐浴行事を行う入初式での潅仏の終了後、日帰り温泉施設「金の湯」の入浴が可能となり、多くの観光客が初湯を楽しんだ。外国人観光客の見学、参加も増えている。
新年の幕開けに古式豊かに行われる江戸時代から続く行事で、神戸市地域無形民俗文化財に認定されている。有馬温泉を発見したとされる大己貴命、少彦名命、有馬温泉の再興の恩人である行基菩薩、仁西上人に、報恩と温泉の繁栄を祈念する。
温泉寺からメイン会場となる有馬小学校文化講堂までは、有馬の芸妓が扮する湯女や有馬温泉の関係者による練行列が行われる。有馬小学校文化講堂では、芸妓衆による湯もみ、入初式の歌と踊り、祓行事などが行われた。
新年にあたり有馬温泉観光協会の金井啓修会長は「有馬は歴史のある温泉地で、もっと歴史にスポットを当てた取り組みなどを進めていきたい」「日本料理では、料理名に有馬と付くと山椒を使った料理となる。有馬山椒の復活させる取り組みを始めて8年。今年は市場に出荷できそうなところに来ている」とあいさつした。