兵庫県武田尾温泉の紅葉舘別庭あざれ(兵庫県宝塚市)が12月12日、新築オープンする。同館は紅葉舘の名称で営業していたが、台風による被害を受けて04年10月から休館。「武田尾温泉は良い温泉。もう一度皆さんに提供したい」(松本富子総支配人)との思いから再開に至った。
フランス語で山つつじを意味する「あざれ」は、春先に同館の周囲一面に咲く。館名には、人々の身近にいて潤いと感動を与えるつつじのような旅館でありたい、との想いが込められている。
武田尾温泉の泉質は、関西では珍しいラドン含有温泉。疲労回復、胃腸病のほか皮膚病にも効能があるという。同館では男女別の露天風呂と内湯も備えた。客室は12室。全室が源泉掛け流しの風呂付きで、プライバシーを尊重した離れ形式。棟の2階部分すべてが風呂という客室や、部屋の仕切りにガラスを使い、周りの自然を眺められる客室など趣の異なる4タイプを備える。
新設した食事処「心」では料理人、神田川俊郎氏直伝の創作和食が味わえる。素材は地のものを使い、季節感を演出。冬には郷土料理のぼたん鍋も用意する。
同館の客層はこれまで、団体、グループが中心だったが、新設オープン後は個人客を意識。食事と日帰り入浴をセットにしたプランや、宿泊のみのプランなどを用意した。
同館へはJR宝塚駅から電車で8分。宿泊料金は2人1部屋で4万4千円。紅葉舘の名称が示すように、12月初旬までは「館内から一面の紅葉が見渡せる」(松本総支配人)。