観光振興懇話会(大島利徳会長)は12月14日午後、前原誠司国土交通相に対し、訪日中国人観光客増大のために課題となっている案件についての、解決策を求めるための要望書を手渡した。
前原大臣は「これらの課題はよく承知している。すでに前政権当時から、対応を続けているもの」としながらも、「難しい問題もあるが、要望書にある観光ビザの自由化については解決の方向にある。何とか緩和へ努力する」と述べた。
要望書に指摘されている項目は(1)中国各地での日本観光PR活動の支援(2)中国人観光客誘致の阻害要因となっている旅行業者へのペナルティ制度の大幅緩和(営業停止条項の削除)(3)観光ビザの自由化(4)中国大手カードの決裁サービスの拡充(5)空港着陸料の減額(6)公共交通関係における中国語表紙と中国語アナウンスの拡大──となっている。
これらは民間ベースで実行できることもあるが大半はかねてから課題となっているもので、特に警察庁が絡む中国人が旅行中に逃亡したりするケースが犯罪につながる傾向もあったとして、また日本国内の秩序を乱す恐れがあるとして、旅行業者へのペナルティ制度の緩和は当面は難しいとされている。
観光振興懇話会は、中国人観光客誘致のための賛同企業の署名活動を実施しているほかすでに全国各地で、観光フオーラム(箱根、長崎、北海道)を開催し、来年春には千葉県で実施を予定し中国人観光客の増大に伴う案件を議論することになっている。大島会長は中国にかなりの人脈があるだけに、今後の活動が注目される。
前原国交相(右から4人目)に要望書を手渡す大島会長(同5人目)