石川県加賀市と山代、山中、片山津の3温泉観光協会は9月29、30の両日、駐日大使館員らを招き、ツアーを実施した。2020年の東京五輪・パラリンピックを見据えた誘客対策で、初めての試み。関係者は「県レベルでも珍しいのではないか」と話している。
国際交流サービス協会とのタイアップ事業。市と3温泉の国際的な知名度を高めるのが狙いで、10カ国(スーダン、ギリシャ、メキシコ、インドネシア、ペルー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カナダ、リベリア、スウェーデン、ウクライナ)の大使や公使、その家族ら20人を招いた。
初日は、山代温泉九谷焼体験ギャラリーCoCoでの九谷焼の絵付けや和服の着付けなどを体験するなど、加賀温泉郷の魅力を満喫。
夕食交流会は山代のたちばな四季亭で。加賀市の山下正純副市長、山代温泉観光協会の萬谷正幸会長が歓迎の言葉を述べ、ツアー参加者を代表してスーダン大使があいさつした。地元の祭り、山代大田楽も披露され、盛り上がった。
2日目は県九谷焼美術館を見学。山中温泉の山中座ではお座敷遊びの座布団取りを体験し、片山津温泉では女性グループと与謝野晶子染めを行った。
参加者の満足感は高く、アンケート調査によると、「今回参加されて、加賀市への旅行を知人・友人に勧めるか」という問いには、全員が「絶対に勧める」と回答。
「このツアーに参加してとてもハッピーだ」「こういった日本があるという発見の機会をいただき感謝している。全てにわたってとても配慮が行き届いていた」「体験型イベントが多く、地方の方と交流ができてとても良かった」「加賀温泉郷の旅程のサンプルやパッケージツアーのサンプルをいただければ、友人・知人に加賀への旅行を勧めやすくなる」という好意的なコメントが寄せられた。
また、「旅館の朝食の時に日本食か洋食かのチョイスがあればありがたかった」「ゆげ街道散策の時間がもっと欲しかった」との要望もあった。
記念撮影に臨むツアー参加者(山代温泉で)