日本旅館協会北海道支部連合会(西野目信雄会長、203会員)は、8月に相次いだ台風、大雨の道内産業・インフラへの被害を踏まえ、会員旅館・ホテルに緊急のアンケート調査を実施した。8〜10月の宿泊キャンセルは、回答した145軒分だけで延べ約3万人に上ることが分かった。道東を中心にキャンセルが発生し、経営への影響、風評被害の拡大が懸念されている。
調査は9月3〜9日に実施。キャンセル件数は国内客、訪日客合わせて2万9214人に上った。地区別では道東が1万5590人、道北が6972人、道央が6401人、道南が251人。
道東はキャンセル人数全体の53.4%を占め、月別では8月が5338人、9月が8671人、10月が1581人となった。キャンセルとして表れない旅行控えも相当数に上るとみられる。
台風、大雨の被害による鉄道の運転見合わせや道路の通行止めに伴う影響に加え、風評被害の拡大が危惧されている。道東の施設からは「台風による豪雨報道の後、予約の問い合わせが止まり、風評被害が相当の数字になる見込み。旅行会社に聞くと、秋の団体の集客も思わしくなく、9月以降の集客が心配だ」などの声が挙がっている。
北海道庁では、ホームページで「一部の施設を除き、ほとんどの観光施設は通常通り営業している。ぜひとも秋の北海道に」と風評被害の防止に向けて情報発信。道路状況や鉄道の運行状況では、国土交通省、JR北海道がウェブサイトで最新情報を提供している。