北陸新幹線「飯山駅」開業へ、信越9市町村が連携強化


開業に向けた整備が進む飯山駅

開業に向けた整備が進む飯山駅

 来年春の北陸新幹線「飯山駅」の開業に向け、新しい駅が所在する長野県飯山市と周辺8市町村が長野県、新潟県にまたがる広域の観光振興に取り組んでいる。昨年3月には広域エリアの名称を「信越自然郷」と命名。今年1月には連携組織「信越9市町村広域観光連携会議」を発足させた。新幹線駅の開業効果を地域に波及させながら、国際的な山岳高原リゾートとして広域でのブランド化を目指す。

 信越自然郷の名称で連携する市町村は、飯山市のほか、新駅から半径約20キロの圏内にある長野県の中野市、山ノ内町、信濃町、飯綱町、木島平村、野沢温泉村、栄村、新潟県の妙高市。

 信越9市町村広域観光連携会議には、自治体のほか、観光団体や交通事業者、商工団体、農業団体など64組織が参加。会長を足立正則・飯山市長が務め、事務局を飯山市経済部広域観光推進室に置いている。

 駅や周辺の整備が進む中、連携会議では、誘客宣伝、受け入れ態勢の強化に関わる事業などに取り組んでいる。広域観光の窓口となるプラットフォーム機能の構築も目指す。

 連携会議事務局の飯山市経済部広域観光推進室の木村裕之氏は「行政区域にとらわれない広域の旅行商品、駅からの足となる2次交通、ワンストップの機能を持った広域観光案内所などが連携の鍵。開業までの間に態勢の整備を進めたい」と話す。

 現状、プラットフォームの機能のうち旅行企画・実施などは、第2種旅行業を持つ一般社団法人の信州いいやま観光局が担当。「信越自然郷ニューツーリズム」の第1弾商品として昨年11月には、キノコを使った菌食料理や森林セラピーなどが体験できる健康をテーマにした2泊3日のツアーを実施した。

 信州いいやま観光局は、旅行商品以外にも、広域エリア内のスキー場22カ所が連携した初の試みとして、昨年12月からのスキーシーズンに共通リフトクーポン券を販売する事業などに取り組んだ。

 地域の意識醸成や観光関係者へのアピールに関しては、今月26日に連携会議の主催で「信越自然郷ニューツーリズム発表会」を野沢温泉村で開催する。連携会議の足立会長や阿部守一・長野県知事が講演する予定。広域で展開する旅行プランなども紹介する。

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