富山、石川、福井の北陸3県は11月16日、北陸新幹線金沢―敦賀間延伸開業を控え、観光素材を紹介する「北陸観光PR会議」を東京・京橋で開いた。メディアとの個別商談会では熱心にイベントなどをアピール、情報発信に期待を寄せた。
冒頭あいさつした、石川県の土橋順一・誘客戦略課長は「開業時期も決まり、地元では機運が高まっている。3県がより身近に、周遊しやすくなるホットな情報をお届けしたい」と述べた。
最初にプレゼンテーションした福井県勝山市は、日本一の高さを誇る坐像、大師山清大寺の「越前大仏」(約17メートル)を紹介。大仏の周りの三方の壁には1281体の石仏と金仏が安置され、SNSを通じて話題になっているという。
市は県立恐竜博物館に次ぐ観光拠点にしようと、人工雲海で仙人が住む「仙境」のような幻想的な空間を演出する雲海特別観覧事業を実施、「インバウンド誘致と観光消費単価向上を目指す」としている。
開門後1時間と閉門前1時間を特別観覧時間にあてる。実施期間は毎年4月1日から11月下旬で、料金は大人2千円、子供千円。雲海バージョン特別御朱印をプレゼントする。また、来年4月からは観光施設を周遊するのに便利なE―bike(イーバイク)の貸し出しを始める予定だ。
石川県はユネスコ世界ジオパークに認定された「白山手取川ジオパーク」の魅力や加能ガニ、間寒ぶりなど海の幸をPRした。
富山県は食材と料理のほか、黒部峡谷の電源開発の歩みを巡るツアー、黒部宇奈月キャニオンルートの見どころなどを説明。ツアーの拠点となる宇奈月温泉は今年開湯100周年を迎えたことや、難所である「高熱隧道(ずいどう)」は今でも約40度の温度で、客車の中でも熱気と硫黄臭が感じられるという。
旅行商品の販売開始は来年1月29日で、6月30日から5カ月間で約8千人を受け入れる予定だ。
四つある基本コースの一つ、宇奈月発第2便(朝に黒部峡谷鉄道の宇奈月駅を出発、キャニオンルート、黒部ダムを巡ってからホテル立山に宿泊する1泊2日)は、立山黒部アルペンルートやトロッコ電車の運賃、ガイド料、宿泊費、食費などを含め13万円程度となる。
個別商談会には3県の市町やJR西日本金沢支社、観光事業者など16団体が臨んだ。
福井県越前市では市ゆかりの紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」(主演・吉高由里子)が来年放映されるが、大河ドラマ館「光る君へ 越前 大河ドラマ館」(西川哲司館長)は2月23日開館する。
会場は武生中央公園内屋内催事場「まさかりどんの館」で、入場料は大人600円、中学生以下200円。未就学児無料。来館者数は25万人を見込んでいる。