原宿表参道商店街、外客誘致プロジェクトを開始


 東京都渋谷区の商店街振興組合原宿表参道 欅けやき会(欅会)は10月から、訪日観光客誘致プロジェクトを開始する。まず、銀ぎん聯れんカードの導入や各店舗での留学生の活用などに取り組み、受け入れ態勢の整備を図る。「長期的な取り組みにより、原宿表参道の知名度向上とブランド化を推進し、訪日外客の増加を狙う」と意気込む。

 銀聯カードは年内をめどに導入する。商店街で決済端末を一括導入することで利用可能店舗を増やし、中国人観光客へのサービス向上を図る。初年度(10月〜来年3月)は商店街会員300店舗での導入を目指し、端末の普及率を現在の約5%から約40%まで引き上げる計画だ。

 同時に、外客とのコミュニケーションに使用できる4カ国の指差し会話シートを作り、日本人店員による案内サービスも強化する。

 11月からは会員店舗のスタッフに語学研修の機会を提供するとともに、NPO法人と連携し、商店街全体で留学生を育成、活用していく「留学生ワークインターン」制度を創設する。「表参道の歴史や地理などについてのセミナーを実施し、欅会の店舗スタッフとして表参道の知識を身につけてもらう」という。

 その上で、店舗での接客対応やメニュー、値札の翻訳などをしてもらい、外客に不便を感じさせないサービスを提供する。このほか、他商業エリアと比べて免税販売店が少ないため、会員店舗に免税販売対応も働きかけていく。

 松井誠一理事長は「外国人観光客に安心して訪れてもらうには、まず環境整備が必要。その上で表参道の情報や魅力を発信していきたい。ファッションと日本の伝統文化が融合した街として世界に向けてPRしたい」と話している。

 欅会は原宿表参道エリアで最大の商店街組織。法人会員は220社に上り、約800店舗が加盟している。昨年から公式サイトを日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語対応にするとともに、アジア6カ国の主要サイトと提携し、リスティング広告を実施するなど、外客の受け入れに積極的だ。

 
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