土産品販売、食事、休憩施設などで組織する日本観光施設協会(幾世英夫会長=京都府・橋立大丸)はこのほど、新型コロナの影響に関する会員へのアンケート調査を行った。詳しい内容は非公表だが、多くの施設で販売が1割以下に落ち込み、先の見通しも厳しい状況が明らかになった。会員からは国など行政からのさらなる支援を求める声が上がっている。
会員は、ツアーなどの団体が立ち寄りで利用する施設がほとんど。旅行の自粛により、多くの会員が売り上げを大きく落としている。
4月15~23日に実施したアンケートによると、3月の販売実績は、前年同月比で「5%」「マイナス96.5%」と、多くの施設で1割に満たない。都市部の個人客が比較的立ち寄りやすい施設でも「55%」と、およそ半減している。
4月以降の販売見通しも「4月、5月は予約が全てキャンセル」「団体はほぼゼロ。緊急事態宣言後は個人客も激減」と、極めて厳しい状況だ。ただ、春の旅行が秋に移行するなど、10月以降の団体予約が前年同期を上回る施設もあった。
雇用調整助成金の活用で雇用を維持する施設が目立つ。ただ、「持って半年」「長期化すれば廃業も検討せざるを得ない」と、収束時期が見通せない中で先行きを悲観する声も少なくない。
行政には「売り上げ減の補助」「速やかに助成金を」などのほか、収束後を見据えた施策に期待。「Go To Travelキャンペーン実施時には、宿泊代に偏ることなく、食事代、土産代にも相当の配分を」「国内旅行に係る全ての事業形態にお金が回るように」「OTA中心でなく、共に苦労している貸し切りバスの代金補てんも」などの声が上がっている。協会はこれらの声を行政に届けるための活動を検討している。