銀山荘グループ(山形県尾花沢市)は、7月1日に「本館古勢起屋」(同銀山温泉)を開業する。登録有形文化財にも指定される既存の建物を改修。古き良き日本建築にさらに触れられる滞在空間へと整備した。
約100年前の大正・昭和初期、日本の建築様式に大きな影響を与えたアールデコ様式で建てられた貴重な歴史的建造物を、現代風にアレンジした。可能な限り古材を利用し、伝統工法である「木組み」の技を用いるなどして、古くからのたたずまいを維持した。新材を一部使用した部分についても、着彩等を行わず色の違いをあえてそのまま残すなど、建物の風格や味わいを尊重するデザインにも注力している。
全14室は川、山のいずれかに面し、ツインベッドを配備した和洋室、伝統の技術を生かした純和室の2タイプからなる。1階には土間といろりのあるロビーラウンジを整備し、書家であった同館先代の仕事部屋跡に硯(すずり)石を使用した硯風呂と、かつての銀山温泉の様式を再現した大正風呂を復刻するなどして、レトロな雰囲気を館内随所でかもし出している。
滞在中の飲食費を事前に宿泊料金に含むオールインクルーシブシステムを採用。夕食については銀山温泉内の温泉街にある登録飲食店(2店舗)に出向き、宿泊者は希望に応じて好きな料理を食べる。店舗では、地元名物の山形黒毛和牛や地元食材を生かした郷土料理などを提供する。
「古き良き時代に触れる文化的体験と、銀山温泉ならではの雰囲気の中で過ごす体験。これら二つを感じてもらえたらうれしい」と同館の小関健太郎社長。特別先行予約プランを公式ホームページ(https://www.kosekikan.com/)などで受け付けている。
客室の内装
外観(イメージ)