呉市、新名物へ細うどんアピール


創作した、ぶっかけスタイルの細うどん

創作した、ぶっかけスタイルの細うどん

 呉観光の合間に「細うどん」はいかが。広島県呉市で今、地元で長年愛されてきた細うどんを手軽に楽しめるご当地メニュー「B級グルメ」として売り出そうという活動が盛り上がりを見せている。市内の飲食店が研究会を創設、細うどんを提供する店舗を紹介したマップを作りPRするなどしている。細うどんを新たな呉の名物に育てることで、地元商店街の活性化につなげたい考えだ。

 細うどんはその名の通り、太さが3、4ミリメートルほどと通常のうどんよりも麺が細いのが特徴。もともと明治時代ごろは一般的な太さのうどんを食べていたが、徐々に細くなり戦前にはすでに今の細うどんほどの太さになった。呉飲食組合を中心に結成された「呉細うどん研究会」の橘信宏さんは、「市内に海軍工しょうがあり、大勢の職工に手早く食事を出す必要があったため、ゆで時間の短い細うどんが一般化したようだ」と話す。

 細うどんは飲食店で提供されるだけでなく、地元家庭の日常食。呉生まれ、呉育ちで、「2009くれマリンクイーン」の正法地絵梨沙さんも「うどんと言えば当然細うどん。いろいろな食べ方で食べてきたが、私はかけうどんが一番好き」と思いを語る。細うどんへの市民の愛着は深い。

 細うどんの特徴はあくまでもその細さであるため、食べ方も味付けも各家庭や飲食店によってさまざま。細うどん研究会に所属する42の飲食店ではかけうどんだけでなく、お好み焼き店では細うどん入りお好み焼き、カレー店ではカレー味の細うどんなど、各店が持ち味を生かした細うどんメニューを提供する。

 同研究会では、メンバーの店とその店で提供する細うどんメニューを写真入りで紹介するマップを作ったほか、地元のイベントやB級グルメイベントに積極的に参加し、知名度アップを図っている。イベントではゆでた麺に、名物のちりめんをはじめ、温泉卵と大根おろし、天かす、青ネギをのせ、生姜汁を絞ってツユをかけた「ぶっかけスタイル」の細うどんを提供、人気を集めているという。

 橘さんは「呉には『大和ミュージアム』などの観光施設があり観光客が多く訪れるが、中心商店街まで足を延ばす人は少ない。海軍工しょうの人に親しまれ、地元でも愛されている歴史ある細うどんを食べに来てもらうことで、商店街にも活気が出れば」と期待する。

創作した、ぶっかけスタイルの細うどん
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