和歌山県は15日、仁坂吉伸知事ら県訪問団が6〜12日、インド・マハラシュトラ州を訪れたと発表した。県と同州政府は9日、観光交流や企業間協力を盛り込んだ覚書を締結した。仁坂知事は現地政府関係者のほか、インドで最も盛んな娯楽である映画の制作者らとも懇談し、映画ロケ誘致の意向を表明した。
覚書では、相互の観光分野拡大を図るための協力のほか、農産物と食品の加工分野での企業間協力も盛り込まれた。
観光分野での具体的な協力について、9月にオープンしたアジャンタ・ビジターセンターと県世界遺産センター(田辺市)で、互いの観光資源を紹介するといった提携方針が示された。
同州は経済発展が著しいムンバイを州都とし、人口約1億1000万人。仁坂知事は、県内事業者や高野山、教育関係者らとともに、世界遺産のエローラ、アジャンタ石窟群や現地企業を視察した。
映画関係者との懇談で仁坂知事は、和歌山の風景や文化、歴史が映画撮影に最適であることをPRした。インドでは、海外旅行で映画ロケ地を旅行先に選ぶことが多く、県では撮影隊の誘致を通じてインド人の観光誘客を目指すことにしている。
さらに県は、現地メディアや旅行会社の関係者を対象とした和歌山への視察ツアーの実施を検討する。
調印後、握手する仁坂知事とマハラシュトラ州のプリスヴィラジ・チャバン首相(和歌山県提供)