国交省、貸切バスの安全性確保目指し省令改正へ


 国土交通省は貸切バスの安全性確保に乗り出した。4月27日、貸切バス事業者に対し、目的地(着地)に運転手の睡眠施設を確保することや、ツアーバスの引き受け実績の報告を義務付けるなどの方針を決めた。3カ月以内に省令を改正する。また、今月中旬に検討会を設け、安全確保のための方策や運送の引き受けのあり方などについて議論する。

  2月18日、大阪府吹田市で27人が死傷したスキーツアーバス事故を契機に、貸切バスの事故やツアーバスに関する問題が提起されたことに対応した。

  同省は4月を重点監査月間とし、事業者への監査を強化してきたが、新たに、(1)貸切バスの運行を行う場合、発地・着地の判断を一定の期間を設けた上で、「実質的に旅客が乗車している区間」とすることを明確化する(2)新規許可事業者に対しては法令順守の指導を徹底するとともに、月間の監査対象とならなかった既存事業者に対する呼び出し指導の実施を強化する──などを徹底する方針だ。

 省令改正では、長距離運行を行う事業者に、目的地で旅館やホテルなどの睡眠施設を確保するよう求めるとともに、事業者が運転手に出す運行指示書には睡眠施設名を記載させる。

  また、ツアーバスの運行実態を把握するため、旅客自動車運送事業等報告規正を改正、輸送実績報告書にツアーバスの引き受け実績を義務づける考えだ。

  中旬に設ける「貸切バスに関する安全等対策検討会」(仮称)には、同省やバス事業者、旅行業者らが参加し、(1)安全・安心確保のための方策(2)運送の引き受けのあり方──などを議論する。検討会ではヒアリングなども実施して、9月をめどに報告書をとりまとめる予定。

 
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