国土交通省はIC乗車券の国際相互利用に関する実証実験を韓国との間で始める。韓国からの旅行者が現金なしで関西地区などの鉄道やバスを利用することができるカードを発行する。このような実証実験は世界初の試みだという。
韓国在住者を対象に発行。利用期間は10月1日から来年3月31日まで。日本国内で「PiTaPa」カードを発行しているスルッとKANSAI社と、韓国の大手クレジットカード会社、ロッテカードが協力する。
実証実験には、口座引き落しによる後払い(ポストペイ)方式で公共交通機関などを利用できるPiTaPaカードを活用する。ロッテカードが韓国で発行し、日本で利用した運賃は後日請求、利用者の指定口座からウォンで引き落とす。
カードが利用できるのは、PiTaPaカードが使える関西、岡山、静岡地区の公共交通機関。JR西日本のICOCAのエリアでも使えるが、この場合には事前の入金(チャージ)が必要となる。
国交省では昨年9月、IC乗車券等国際相互利用促進方策検討委員会(委員長=淺野正一郎・国立情報学研究所教授)を設置し、1枚のICカードでアジア各都市の交通機関を現金なしで利用できる仕組みを研究してきた。今回の実証実験では利用者にアンケート調査を実施し、課題などを検証、実用化の可能性を探る。