観光庁が9月18日に速報値として発表した2020年4~6月期の日本人の国内旅行消費額(観光、出張、帰省など)は、新型コロナウイルスの影響で、前年同期比83.3%減の1兆40億円となった。政府が感染拡大を受けて4月に緊急事態宣言を発令したことに伴う外出の自粛などで、旅行者数が過去にない水準に減少し、消費額が大幅に落ち込んだ。
消費額の内訳は、宿泊旅行が前年同期比85.4%減の6646億円、日帰り旅行が同76.5%減の3394億円だった。宿泊旅行を月別に見ると、4月が89.3%減の1412億円、5月が91.5%減の1599億円、6月が73.1%減の3635億円。
延べ旅行者数は、宿泊旅行が前年同期比80.9%減の1601万人、日帰り旅行が同73.7%減の2113万人だった。宿泊旅行を月別に見ると、4月が83.6%減の384万人、5月が88.3%減の417万人、6月が67.6%減の800万人。
期間中の1人1回当たりの旅行単価は、宿泊旅行が前年同期比23.7%減の4万1511円、日帰り旅行が同10.3%減の1万6066円となった。
5月25日には緊急事態宣言が全国で解除され、6月19日には都道府県をまたぐ移動の自粛要請が解除されたが、4~6月期の国内旅行需要は冷え込んだ。政府は、国内旅行の需要喚起に向けて7月22日に旅行費用などを国費で割り引くGoToトラベルキャンペーンをスタートさせた。