国民の「観光立国」の認知度いまひとつ、日観振が初の国民調査


 日本観光振興協会はこのほど、初めて実施した「『観光立国』に関する国民の意識調査」の結果を発表した。日本が観光立国を国づくりの柱の一つとしていることを「知っている」と答えた人は42%で、「知らなかった」の58%を下回った。また、「観光が日本経済復活の柱になるか」ではやや懐疑的な見方が多いことも分かった。観光の重要性、立国の必要性への理解、認識は十分とはいえず、政・官・民挙げた一層のPRが求められる。

 調査は昨年9月、18歳以上の男女を対象に実施。2232人から回答があり、うち女性が51.3%を占めている。

 調査結果によると、観光立国を知っていた人は男性で54%と半数を超えたが、女性は31%にすぎず、やや関心が低い。男女とも年齢が高くなるにつれ知っている割合が多くなり、60代以降になると男性で70〜80%、女性でも40〜50%に達する。

 観光に熱心に取り組んでいる地域を挙げてもらったところ、40.3%の人が京都府と答え、断トツの1位となった。以下、北海道(23.6%)、東京都(23.3%)、沖縄県(11.2%)と続く。

 調査では観光に抱くイメージも聞いた。その結果、86%が「癒し・リフレッシュ」と答え、「非日常」(45%)、「贅沢」(35%)を抑えた。

 観光が経済に与える影響については懐疑的な見方も多かったが、立国実現に向け力を入れる政策では「交通網、交通機関の整備」が最も多く、75.3%に達した。次いで、「観光施設や宿泊施設の整備」(74.0%)、「交通案内標識の整備」(71.9%)を挙げた。

 昨年の訪日外国人旅行者は1341万人となり、過去最高を記録した。今後も増えると見られるが、「増えてほしくない」という人は6.8%でごくわずかだった。大多数は前向きに受け止めているが、「いいことだが心配もある」という人が57.5%あり、手放しで礼賛しているのではないことも分かった。特に、女性でこの傾向が強かった。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックについては、多くの人が「何らかの影響(もしくは効果)がある」と考えている。なかでも多かったのは「治安への対策が必要になる」との意見で、58.6%に上った。「日本の知名度アップ」は49.8%、「国際相互理解が深まる」も42.4あった。

 
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