国際観光旅館連盟近畿支部(西村肇支部長)は10月25日、来年4月から適用される宿泊予約サイト「じゃらんnet」の実質的な手数料率引き上げについて、同サイトを運営するリクルート旅行カンパニーに撤回を求める要望書を提出した。新ポイントサービスの導入に伴うポイント付与分の負担方法の変更を「明確な手数料率アップ」と指摘。経営への影響や他の宿泊予約サイトなどが手数料率アップに追随することを危惧した。
宿泊施設が支払う実質的な手数料率は2人以上1室利用の場合、プラン料金の8%から10%に引き上げられる。販売手数料率に相当するシステム利用料率は8%のままだが、ポイント付与分として2%が請求されるため。ポイント付与分を負担する現行方法である「無料宿泊券の提供」「ポイント行使の際の実費負担」の選択制から切り替わる。
シングル利用の場合は、システム利用料率自体が4%から6%に引き上げられ、ポイント付与分2%を加えて実質的に8%になる。
国観連近畿支部は、ポイント付与分2%の設定について「利用者のポイント行使率などを言い分として、わずかな値上げであるかのように宿泊施設に説明しているが、(2人以上1室利用の場合)8%が10%になるという明確な手数料率アップだ」と指摘し、現行制度に比べ、多くの宿泊施設で負担が増すと強調している。また、ポイントサービスを通じた顧客の囲い込み競争の激化を危惧し、「手数料率の引き上げにライバル会社が追随することが予想される」と懸念している。
リクルートは制度の変更について、現行のポイント付与分の負担方式では宿泊施設間に不公平が生じていることなどを説明。新ポイントサービスが宿泊施設だけでなく、ヘアサロンや飲食店などと相互利用できるサービスへと移行することから、ターゲットの拡大につながり、宿泊施設への送客の強化にもつながると指摘している。
国観連では近畿支部の要望書提出を踏まえて、今月8日に開かれる正副会長会などで対応を協議する予定。
リクルートは新ポイントサービスの導入などについて、全国約2万軒の契約宿泊施設に説明。来年3月末までに同意手続きを行うように宿側に求めている。
「じゃらんネットに対する実質手数料アップ撤回の要請」国観連近畿支部 >>PDFを見る