一般社団法人国際観光文化交流協会(JITSA、藤野公孝会長)は16日、設立総会・記念講演会を東武ホテルレバント東京で開いた。総会では、西谷徹ホテル京阪会長と荒屋正年ホテル小田急社長の2人を副会長に選出。常任幹事には、酒見重範東武ホテルマネジメント社長、國生伸ホテルグランパシフィック社長、山田寅幸草津温泉観光協会会長が就いた。
同協会の目的について藤野会長は「訪日外国人旅行客の受け入れ促進、日本文化観光情報の世界への発信など、国際観光文化交流事業を通じて観光産業の発展、地域社会の活性化等に寄与することを目指している」と述べた。その上で「中でも地域観光の国際化と活性化が最も重要だ」と強調した。
記念講演会では、又野乙知観光庁次長が「観光立国の推進について」を、佐藤茂雄大阪商工会議所会頭(=日本商工会議所副会頭、京阪電鉄取締役会議長)が「新しい観光ルートの開拓について」をそれぞれ講演した。
又野次長は観光庁の予算規模について「現在の100億円超の予算規模は、コンクリートの公共事業を伴わない中では使い出がある。国内外に向けた観光情報の発信を今後も柔軟かつ積極的に行なっていく」と機動的な予算執行の現状を紹介。震災後の訪日外国人旅行客数については「まず台湾人客がもどり、次に中国人客が回復した。韓国外客がなかなか復活せず苦慮している」と話した。
佐藤会頭は「日本人の価値観に基づく一律的でお仕着せの観光スポットの案内では、多種多様な嗜好性には耐えられない」と語り、これまでの観光ルートのあり方に再考を勧めた。「東海道、山陽の観光先進地では、いままでのようなワンパターン、お仕着せの観光メニューにおさらばし、独自性あるメニュー開発を行うべきだ。それは大量生産、大量消費の発想では生まれない」と話し、「観光立国日本は手作りで」と提案した。
あいさつする藤野会長