地域に根差し、本物の温泉を守り提供しようと取り組むと同時にJR東日本の国内旅行商品「地・温泉」に参画する、宿泊施設の経営者らが参加する「地・温泉 湯守の会」(会長=高田貞一・大澤温泉山水閣代表取締役、29会員)は4月20日、東京都新宿区のJR東日本本社で総会を開いた。10年度の活動方針を確認したほか、会員の取り組み発表や会員同士の意見交換などを行い、交流を深めた。
総会では、鶴の湯(秋田・乳頭温泉)の佐藤和志代表が、外国人観光客の誘客について、ひなの宿千歳(新潟・松之山温泉)の柳靖治代表取締役が着地型観光の取り組み状況について発表を行ったほか、地・温泉商品の展開や各種キャンペーンの内容を確認。個々の施設の取り組みについても意見交換を行い、会員やJR東日本の出席者らから、「スタンプ帳を忘れるなどして、複数冊持っている人が目立つ」「人を介したインバウンドプロモーションで効果が上がった」などの意見が出された。
総会であいさつした高田会長は、会員の取り組み事例の発表に言及、「今までとは違った趣向の総会となり、非常に興味深い。これから『地・温泉』をどう発展させていくのか、メンバー全員で考えていこう」と意欲的に語った。
同会は昨年度、地・温泉商品の展開のほか、08年以来実施しているキャンペーン「あっ!たま〜る地・温泉スタンプラリー」を実施。地・温泉の商品は厳しい環境下でも堅調で、09年度は2施設が加入したこともあり、前年比6.6%増の2万3580人が利用した。
10年度はスタンプラリーの活性化のために、JR東日本のシニア向け会員組織「大人の休日倶楽部」に向けたスタンプ帳やパンフレットの配布を行う。JR東日本の無料ウォーキングイベント「駅からハイキング」と連動したハイキング後泊プランや、連泊者向けのメニュー「宿からハイキング」の展開、大人の休日倶楽部サロンでの温泉講座の地・温泉講座実施など、新しい取り組みも進める。
JR東日本の社員らも出席した総会