料理に合うビールや地元のワイン
ギネス・ワールド・レコーズに「世界で最も歴史のある温泉宿」と登録されている西山温泉慶雲館(山梨県早川町)。創業は西暦705年。毎分1600リットル以上という日本随一の湧出量を誇る自噴泉に代表される温泉が有名だが、地元の素材や調理方法など、すべてにこだわっている食事も堪能したい。
同館では、料理に加え、飲料の充実を図るために数年前からサントリー商品の取り扱いを増やしている。その狙いを専務取締役総料理長の佐藤眞司氏と、常務取締役若女将の佐藤舞氏に聞いた。
同館は昭和20年ごろまで素泊まりの湯治旅館だったが、昭和40年ごろから1泊2食付きに変更。その後、平成9年の大規模リニューアルを契機に新しい料理長を迎え入れ、その際に、今の総料理長の佐藤氏が慶雲館に入社した。その時から料理に力を入れるようになったという。
約14年前に総料理長に就任した佐藤氏は、全日本日本料理コンクール郷土料理部門で国土交通大臣賞を受賞したほどの腕前。食事は、施設が山の中にあるため、海のものを一切使わずに地元の食材にこだわった「深山会席」となっている。
深山会席は、海のものを一切使わずに地元の食材にこだわっている
メイン料理の甲州牛は、一頭買いをする金賞連続受賞のA5ランク。焼き魚などに使う川魚は臭みを徹底して消してから提供する。ほかにも地元産の湯葉や、そば粉を使わずにどんぐりを使用した「どんぐり麺」などを、季節ごとにメニューを変えて出している。
サントリー商品の取り扱いを増やした理由を総料理長の佐藤氏はこう話す。「あるお客さまから料理に合うパンチが効いたお酒やビールが飲みたい、と聞いたことがきっかけ」。併せて、「サントリーは企業努力をして、一生懸命いいものを作られていることを知っていた」とも。
現在の取り扱い商品は、プレミアムビールの「ザ・プレミアム・モルツ」、「同マスターズドリーム」、日本ワインの「FROM FARM 登美」「同 登美の丘」、ウイスキーの「角ハイボール」、ノンアルコールビールテイスト飲料の「オールフリー」など。
導入にあたっては、地元にある登美の丘ワイナリーを見学。併せて、ビールサーバーの洗浄方法やビールのおいしい注ぎ方などの講習を受け、品質管理にも万全を期している。
「ビールはのど越しが良く、かつ、コクがある、とお客さまからの評判も上々」と総料理長の佐藤氏。また、「甲州牛には登美の丘の赤ワインがとても合うので、積極的に薦めている」。
若女将の佐藤氏は、「ぜひ、当館にお越しいただき自慢の温泉や料理、そしてさらに充実した飲み物も楽しんでほしい」と話している。
若女将の佐藤氏