地域の景況判断、5期ぶり上方修正


 経済産業省はこのほど、地域経済産業調査の1〜3月期分を公表した。全体の景況判断は5期ぶりに上方修正し、「一部に弱い動きがみられるが、緩やかに改善している」とした。地域別では関東、北陸など6地域で上方修正。個人消費は春節の影響で、外国人観光客による売り上げが好調という声が挙がった。

 調査は各地方経済産業局(電力・ガス事業北陸支局、沖縄経済産業部を含む)が管内の企業などに景気の現状などをヒアリングしてまとめたもの。調査期間は2月20日〜3月25日。調査対象は全国826社。

 全国10地域の判断で、上方修正したのは関東、北陸、近畿、中国、四国、九州の6地域。北海道、東北、東海、沖縄の4地域は判断を据え置いた。

 このうち北陸は「緩やかに改善」として、前期の「改善の動きがみられる」から上方修正。これで、3期連続の上方修正となった。

 各論では、生産が自動車や自動車関連で北米向けを中心に堅調。個人消費は百貨店の高額商品やスーパーの食料品の売り上げが持ち直しているものの、日用品は低価格志向が続き、消費の二極化が広がっているとの声が聞かれた。

 また観光面で、北海道、関東、近畿、九州、沖縄の各地域で外国人観光客による消費が好調との声が挙がった。

 各地の主な声は次の通り。

 「インバウンドが引き続き好調で、とりわけ冬の一大イベントであるさっぽろ雪まつりが春節の時期と重ならなかったことによる相乗効果で百貨店等での外国人による売り上げが増加、ホテルの稼働率も高水準となった」(北海道)。

 「昨年の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要には及ばないとの見方が多い中、消費は二極化がさらに深化し、インバウンド効果は百貨店から他業態まで進展。インバウンドについては春節の影響により百貨店での高額商品の売り上げが好調」(関東)。

 「北陸新幹線開業後は、駅周辺や観光地などで、にぎわいがみられる」(北陸)。

 「旅行は円安や政情不安等の影響から海外旅行が減少しているが、国内旅行は堅調である」(近畿)。

 「観光レジャーは、海外が円安等で低調な一方、国内は堅調に推移」(九州)。

 「クルーズ船の寄港などによる誘客効果などにより観光客数は底堅く推移している。特に、2月の海外観光客数は増減率プラス95.7%など堅調に推移している。一部から、今後もクルーズ船の寄港数も増加し、海外観光客の需要は好調と思われるとの声も聞かれた」(沖縄)。

 
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