海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」発行のダイヤモンド・ビッグ社は、地球の歩き方40周年を記念して「第1回地球の歩き方総合研究所 懸賞論文」を実施した。最優秀賞には、民宿美味し宿かどや(兵庫県・佐津温泉)社長、今井学氏の「地方のインバウンド対策として泊食分離の推進」が選ばれた。
「今後のインバウンド観光のトレンドからみた地方誘客のための観光戦略」をテーマに論文を募集。2019年5月から9月までの応募期間に30本が集まった。応募者の平均年齢は43.8歳。応募者の職業は学生が最も多く9人だった。
「アイデアのユニークさ」「論理的枠組みや構成が明確か」「現実や制度をふまえた分析や提案になっているか」「論理が首尾一貫しているか」などの観点から審査した。
2月5日、最優秀賞のガラス盾と賞金50万円が、地球の歩き方総合研究所事務局長の弓削貴久氏から今井氏に手渡された。
最優秀賞を受賞した論文の要旨は次の通り。
「筆者の地元では、全世帯の3分の1が1泊2食付きのスタイルをとる小規模民宿を営む。しかし、周囲にはスーパー、コンビニ、飲食店がないため、インバウンドの主流である素泊まりやB&Bには対応できない。そこで、地域の宿泊施設を現行のまま残る宿、素泊まりに移行する宿、飲食店に移行し宿泊業を廃業する宿の三つに再編することを提案する。政府がこうした泊食分離が可能な地域を公募し、採択地域に優遇措置や補助金を出し、インバウンドによる地域活性化につなげる」
最優秀賞のガラス盾を受け取る今井氏(右)